著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

“ポスト遠藤”最右翼 ヘーレンフェーン小林祐希が胸中語る

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「チーム小林」で自己改造中

 磐田時代の2016年では、J1前半戦だけで5ゴールを叩き出した日本代表MF小林祐希(ヘーレンフェーン=オランダ)には移籍当初、得点への大きな期待が寄せられていた。しかし、フタを開けてみると、オランダ1部リーグ前半戦のゴールは、昨年12月3日のゴー・アヘッド・イーグルス戦の1点のみ。あくまで守りに比重を置きつつも、持ち前の非凡な攻撃センスをどうやって発揮していくのか――。

「前半戦で1点という結果には、もちろん満足してないです。4、5点取れるイメージで来ましたが、ポジションも違ったから(トップ下ではなくボランチ)。でも、昨季よりもいいペースでチームに勝ち点を稼がせられたかな、とは思ってるんで、そこはプラスに捉えていきたい」と本人は非常にポジティブである。

「17年はボールを持った時、もうちょっと違いを出していけたら。今はチームのリズムをつくることを考えてパス中心にやってて、それがオレの良さでもあるんですけど、ここは勝負! って時にドリブルでググッと仕掛けたりしたい。何回か(相手選手に)引っ掛かっても1回成功して点が入ればいい。勝負する勇気はあるけど、チーム第一で《負けないことを考え過ぎて》しまう。オランダでの十何試合をとりだめしてあるんで見直して改善できたら、と思ってます」と客観的に自己分析を繰り返している。

■勝ち点1の重み

 昨春から取り組んでいる自己改造計画も、オランダで継続中である。「フィジカル」「メンタル&ブレイン(脳)」「食事」という3つの柱について専門家のアドバイスを仰いでいる。この「チーム小林」によるたゆまぬ努力が、攻撃力アップにもつながるはずである。

「取り組んでいることを形にして、それをピッチの上で表現することが大事ですね。たとえば(レアル・マドリードの)DFセルヒオ・ラモスが終了間際によく点を取ったりするけど、それは最後の最後まで高いプレーの質を保ち、勝利への強い気持ちを持ち続けているから。自分もヘーレンフェーンの一員として、常に胸を張って行動していくことを考えないと。こっちに来てから、勝ち点1の重みを凄く感じるようになりました。そこにこだわり続けていくことも大切。こういったことのすべてが、自分の成長につながると信じています」

 小林祐希がヘーレンフェーンの大黒柱に君臨すれば、ハリルホジッチ監督も彼を放っておくはずがない。18年ロシアW杯最終予選の後半戦初戦のUAE戦(3月23日。アルアイン)では、小林が長谷部誠(フランクフルト)、山口蛍(C大阪)のどちらかと中盤でコンビを組む可能性も少なくない。日本人離れした強靱なメンタルを持つ男の今後が大いに気になる。

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