2年ぶり全仏8強 錦織が初めて明かした「コーチ観」の是非

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 全仏オープンを戦う錦織圭(27)が、珍しくコーチに関して言及している。4日の試合後の会見で記者から、新しいコーチやチームに興味はあるかと聞かれ、こう答えたのだ。

「個人的にはコーチを代えることに賛成で、いろいろな考えを入れる機会を設けるのは大事だと思う。ただ、今はチャン、ダンテが見てくれている現状に満足しています。いろいろな人の意見は聞いてるし、ボブ・ブレッドさん(松岡修造の元コーチ)の話も聞いています」

 いろいろな考えを入れているから現状に満足しているというのだが、その認識がおかしくないか。

 チャン・コーチのもと、成績が年々上向いているならともかく、2014年の全米準優勝以降、4大大会の決勝進出はなし。今年に入ってからは特に精彩を欠いていて、ツアー未勝利。世界ランクが自分より下の選手相手の“取りこぼし”が目立ち、ランキングも最高位の4位から9位まで落ちた。成績は明らかに下降線をたどっているのだ。

 マリー(30)は昨年、レンドルを2年ぶりにコーチ陣に加えて世界ランク1位を奪取。同2位のジョコビッチ(30)は今大会前、新たにアガシをコーチにして話題になった。世界のトッププレーヤーが新コーチを据え、絶えず新陳代謝を図りながらその地位を維持しているのに対し、成績が右肩下がりの錦織が現体制に満足だという。そもそも公式会見でコーチを批判するわけにはいかないだろうが、本気でそう思っているとすれば認識が甘いのではないか。

 錦織は5日の男子シングルス4回戦でフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)に3―1で逆転勝ち。2年ぶりに準々決勝に進出した。次の相手はマリー。試合後の錦織は「次もタフな試合になりますが、ちょっとずつ自信もついてきた。しっかり回復させて臨みたい」と話した。

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