「パパが一緒じゃなければ」EA入りに際しで母親が言った

公開日: 更新日:

 張本に白羽の矢が立ち、ファミリーは揺れた。野球テニスにはさまざまな修業機会があっても、アマチュア種目には公的支援は欠かせない。母親の凌さんは言う。

「私自身が10歳から寮生活をしてつらい思いをしました。智和を手放したくなかったし、プロも反対だった。東京は仙台から遠くないけど、パパが一緒じゃなければ絶対に許さないと言いました」

■日本国籍が条件

 EAに参加するためには、日本国籍が条件だ。張本は中国との二重国籍で、こうした例は海外では珍しくなく、スポーツの代表は必ずしも国籍と一致しないが、JOC内の組織では国籍取得は必須だった。また、全日本選手権で切磋琢磨もできない。勉強か卓球かの選択は仙台か東京か以上に、中国か日本かという問題として重くのしかかった。決断したのは、東京でのオリンピック開催の雰囲気が漂いだした頃。

「はっきり決めたのは、智和が小学3年のときです。『お父さん、ぼくはオリンピックで金メダルを取りたい』と言った。私たちは中国人ですが、子供たちは仙台で生まれ育ち、仲良しの友達もたくさんいる日本人。そんな気持ちが伝わって、それで決めた」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々

  4. 4

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  5. 5

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  1. 6

    カミソリをのみ込んだようなのどの痛み…新型コロナ「ニンバス」感染拡大は“警戒感の薄れ”も要因と専門家

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  4. 9

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  5. 10

    辻希美“2億円豪邸”お引っ越しで「ご近所トラブル」卒業 新居はすでに近隣ママの名所