著者のコラム一覧
田口光久サッカー解説者

1955年2月14日生まれ。秋田県出身。秋田商高から三菱(現浦和)入り。76年に日本代表入りを果たし、日本代表Aマッチ59試合に出場。B、Cマッチを含めると161試合で代表守護神として活躍した。現役を引退する84年まで代表主将を務め、引退後は秋田経法大付属高、青森山田高、遊学館高、国際学院高サッカー部監督を歴任した。

準決勝で「日本人GKのレベルアップ急務」を改めて実感した

公開日: 更新日:

 GKの「格」で言うとフランスGKロリス、ベルギーGKクルトワの方が、この日の準決勝でプレーした2人よりも上であることに異論はないだろう。彼らの凄さは「この局面で最適なプレーは何か?を瞬時に判断するスピードの速さ」だ。

 ベルギー戦でのロリスは、キャッチングとパンチングの取捨選択が完璧だった。

 無理にキャッチせず、パンチングで難を逃れるシーンも多かったが、そのパンチングにしても遠くに飛ばす、ファーサイドに流す、CKに逃れる――といった判断を即座に下し、高い技術でこなしていった。

 身長199センチのクルトワは、足先の柔軟性に驚かされた場面があった。

 フランスの19歳FWエムバペのパスを受けた右SBパバールがPA内に侵入。クルトワと1対1となった。右足で放ったシュートは、クルトワの右足をかすめるようにしてゴールに吸い込まれると思われたが、クルトワはとっさの判断で右足の角度を微調整。ボールは右足の外側に当たり、ゴールの枠外に飛んだ。

 準決勝で4人のGKのプレーを見ながら、日本代表がW杯で勝ち上がるには、何よりも「GKのレベルアップが急務」であることを改めて実感した。と同時に第3GKだった中村航輔(23)の今後の成長に期待したい。

【連載】元日本代表主将のホンネ炸裂トーク

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層