著者のコラム一覧
小野俊哉ノンフィクション作家

1961年岡山出身。スポーツ・アクセス㈲取締役社長。早大理工学部卒、味の素、住友金属工業を経て、03年同社設立。プロ野球、メジャーリーグの記録を分析、評論し各メディアやメジャー球団に情報を提供している。

ストライク率と三振数は…二刀流・大谷翔平のもう一つの顔

公開日: 更新日:

 プロがシーズンを通して成績を残すには力量、研究(練習)、適応の3要素が必要だ。エンゼルス大谷翔平が投手としての力量を早くも見せつけたのが先発2戦目のアスレチックス戦(4月8日)。

 打者を見下ろし、最速は160キロを超えていた。スプリット、ストレートで初回に3者連続の空振り三振を奪うと六回まで何とパーフェクト。12奪三振の快投を見せたかと思えば、5月30日タイガース戦の五回裏、内野ゴロに打ち取ったストレートが162.7キロ。これが前半戦メジャー先発の投じた約26万球の中で最速になった。

 しかし、6月6日のロイヤルズ戦では4回を投げて突如降板。右肘の故障が発覚(靱帯の損傷レベルは3段階のグレード2。部分断裂)。多血小板血漿(PRP)注入治療を経て7月20日、投球練習再開にこぎつけたものの、いまの立ち投げに近いフォームでは同じ過ちを繰り返すことになりかねない。肘に負担のかからない投球動作を研究し、メジャーの硬く勾配のきついマウンドへの適応が必要だ。

 そのカギは、踏み出す左膝の使い方だ。下半身内転筋と上半身の連動から、球持ちを長くし制球重視でストライク先行のピッチングへ変えるのだ。今季9先発4勝1敗、防御率3.10。うわべは上出来だが、ストライク率61.6%は並以下。今季の先発投手125人比較で102位が投手大谷の別の顔である。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束