日本人初GS制覇へあと1勝 大坂なおみを待つ“見えない敵”

公開日: 更新日:

 全米オープンテニスの決勝にコマを進めた大坂なおみ(20=第20シード)。4大大会で日本女子史上初の決勝進出だ。相手は元世界ランク1位のセリーナ・ウィリアムズ(米国)。セリーナはツアー通算95勝を挙げ、4大大会個人23勝(ダブルス14勝)を誇る強敵だが、今月26日には37歳になる。昨年9月には女児を出産し、全盛期のパワーとスピードはない。「大坂にも勝算はありますが……」と、テニスジャーナリストの塚越亘氏がこう続ける。

「20歳から30代前半の全盛期のセリーナなら勝つことは難しかったが、今は絶対に倒せない相手ではない。冷静に実力を比較しても、今は大坂の方が力は上かもしれない。しかし、4大大会の決勝というのは、目の前の相手だけが敵ではない。4大大会決勝の重圧は、通常の大会とは比較にならない。観客はほとんどセリーナの応援団となる。しかも、相手は小さい頃から大坂の憧れだった選手です。錦織にとってのフェデラーもそうだが、憧れの選手と戦うときはいつもとは違う感情が出て、それがプレーに影響するもの。大坂は3月のマイアミ・オープン1回戦でセリーナにストレート勝ちしているが、あの時は出産休養からの復帰2戦目で凡ミスが多かった。メンタルの差もある。大坂は素直で気持ちがやさしい。セリーナは大舞台の経験が豊富で勝負への執念は誰にも負けない。あっさりストレート勝ちした準決勝のようにはいかないでしょう。大坂が勝つにしろ、負けるにしろ、見逃せない試合です」

 セリーナは「(マイアミの時は)娘に母乳をあげていた。今とは状況が全く違う」とリベンジに燃えている。元世界女王はママになってもやっぱり手ごわそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する