アスレチックス・マレー 野球とアメフトの二刀流で丸儲け

公開日: 更新日:

 ビーンはこれまで同じ立場に立たされたGMたちが、流出を阻止しようとしてケタ外れの好条件を出したことを知っているので、冷静に振る舞っているのだ。

 GMの中には上位指名した有望株をみすみす他のスポーツに持っていかれるのは屈辱と感じ、冷静さを失って過剰に契約金を積み上げてしまう者が少なくない。

■契約金つり上げの常套手段

 2000年のドラフトで、ホワイトソックスのGMはスタンフォード大の外野手ジョー・ボーチャードを1巡目で指名した。ボーチャードはフットボールのQBでもあり、NFLのドラフトで指名される可能性があった。それを警戒したGMはフットボールを断念させるため、契約金を相場の3倍となる530万ドル(約5億8000万円)に増額する羽目になった。

 ジャイアンツの先発投手ジェフ・サマージャはマレーと似たケースで、大学3年終了時にカブスから5巡目で指名され契約金100万ドル(約1億1000万円)で入団した。その後、フットボールシーズンにワイドレシーバーとして大活躍。NFLのドラフトで指名される可能性が出てきたため、代理人はそれをネタに契約の再交渉を要求し、100万ドルを1650万ドル(約18億2000万円)に上積みさせた。

 このような野球とアメフトの二刀流選手による契約金つり上げ案件は他にも起きているが、今回のカイラー・マレーのように全米の関心を呼んだのはこれが初めてのケースだ。それだけに、どんな結末を迎えるか目が離せない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性