著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみ電撃解任も一端 女子“コーチ回転木馬”の背景

公開日: 更新日:

 サーシャを除く2人が黒人である。テニス界ではいまもアフロアメリカンは少数派で、経験を積んだ黒人コーチは新たな“貴重な人材”。その人材がウィリアムズ家に集ったのは、姉妹の父リチャードの開かれた考え方だ。その人材がウィリアムズから大坂に流出し始めた……時代は移り変わっているのだ。

■国境度外視の世界ツアー

 今年、ビーナスは39歳、セリーナは38歳。ともに現役続行を宣言しているが、コーチがその将来に備えるのは当たり前のこと。

 ジェンキンスが米国テニス協会専属コーチの椅子を蹴飛ばし、メジャー2冠の逸材からの誘いを受けたのは至極当然ということになる。彼ら(ジェンキンスとシラー)は、ウィリアムズ姉妹が築いた第一歩をさらに進めるため、新天地で全身全霊をかけ、大坂なおみに夢を託し、汗を流すだろう。

 彼らはプロだ。テニスは国境を度外視した世界ツアーで、国籍とか帰属とかいう狭量な枠から外れた次元で働いている。それでも日本のファンが東京オリンピックや日の丸にこだわるなら、特例で大坂なおみの二重国籍を認めてもらうしかない。既に格別の貢献をしたし、これからもしてくれる。特別扱いの誹りを受けることはない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理