山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

投げるだけの始球式より「過去の名珍場面」を懐かしみたい

公開日: 更新日:

■GG佐藤の登場で「世紀の落球」を想起

 そんな中、試合前イベントがもはや始球式ですらなくなったケースとして印象深かったのが、6月7日のDeNAVS西武戦だ。

 同試合前にはDeNAのOBであるナイジャー・モーガンと、西武OBであるGG佐藤が登場。2013年の1年間しかDeNAに在籍していないモーガンを引っ張り出してきた人選も味わい深かったが(モーガンは特異なキャラクターで人気だった)、なんといってもGG佐藤と外野フライの守備対決をしたという企画がすばらしい。

 GG佐藤と外野守備の組み合わせ、これを見ると野球ファンの誰もが08年北京五輪での「世紀の落球」を思い出すことだろう。GG佐藤といえば豪快な打撃も魅力であったが、やはりあのエラーが一番の代名詞だ。時を経て、これをファンサービスのイベントネタにすることで本人も救われるだろうし、ファンの記憶も浄化される。始球式より、よっぽどいい。

 思えばかつての「金森栄治=デッドボール」「達川光男=コンタクトレンズ紛失」のように、華やかなプレー以外でアイデンティティーを確立した選手も数多くいる。今後はそういう名珍場面を懐かしむような試合前イベントもおおいに実施してもらいたい次第である。

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