著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

ファンの傘をさし談笑 日本ハム西川“雨中の神対応”の価値

公開日: 更新日:

 先日、日本ハム西川遥輝ソフトバンクとの試合中に一風変わったファンサービスを行ったとして話題になった。相手チームの選手が自打球の治療を受けて試合が一時中断されている間、センターを守っていた西川が外野席の観客から借りた傘をさして、周辺のファンたちと柵越しに談笑しつつ、写真撮影にも気軽に応じるなど、まさに神対応を見せたのだ。

 プロ野球の試合中断時のファンサービスといえば、ひと昔前は雨天時のベースランニングが定番だった。このパフォーマンスを好んで披露した選手としては、1990年代に同じく日本ハムの主砲として活躍したマット・ウィンタースや、千葉ロッテの俊足外野手として人気者だった諸積兼司などが思い浮かぶ。また、試合中断時に限らなければ新庄剛志による多様なパフォーマンスも記憶に新しい。彼らに共通しているのは、プロ野球選手といえども、時にはファンを楽しませるための“芸”に近いものを披露していた点だろう。

 このプロ野球選手の芸というものが、極めて個人的な感覚で申し訳ないのだが、私は子供のころから苦手だった。雨に濡れながらのベースランニングに面白味をまったく見いだせなかったというのもあるが、それよりなによりプロ野球選手は芸人ではないのだから、そういうパフォーマンスの類いに関しては言わば素人芸を見せられている感覚になってしまう。明るくてひょうきんな性格の宴会部長みたいな素人男性が、なんらかの変装をして目立つことをやる。そういうノリがどうしても自分に合わなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった