稀勢の里を描いた「愚直」の荒井太郎氏に聞く7月場所展望

公開日: 更新日:

 ――本のタイトルにもある稀勢の里の魅力とは何だったのですか。

「やはり、真摯に相撲道に打ち込む姿。本の中でも『モンゴル包囲網』という言葉を使いましたが、白鵬日馬富士らを相手に、ほぼ孤軍奮闘で正面から正攻法で戦った。まさにタイトルにあるような愚直な相撲ぶりです。それが見ている側にも伝わってきます。取材で私情が入ることは基本的にありませんが、どうしても稀勢の里の相撲は、ぐっと身を乗り出して見てしまう。他の記者も同様だったと思います」

 ――史上最多の8場所連続休場、横綱として歴代ワーストの勝率5割(6場所制以降)など、成績はひどかったが人気はあった。

「人気や影響力などは、過去の大横綱と比べてもひけをとらない。ファンは数字だけを見ているわけではないんです。土俵上の態度、所作から伝わってくるものを受け取る。成績はその一部分なんです。稀勢の里はその生きざまが、多くのファンの共感を得た。単に19年ぶりに誕生した待望の日本人横綱だからというだけでは、あそこまでの人気にはならなかったと思います」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった