札幌移転 “負け犬の遠吠え”会見で露呈した陸連の空中分解

公開日: 更新日:

 現場の責任者たちが舞台裏を語った。

 日本陸連の強化委員会は5日、東京五輪マラソン・競歩が札幌開催となったことを受けて初めて会見を開いた。

 出席者は麻場一徳強化委員長、瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー、河野匡長距離・マラソンディレクター、山下佐知子女子マラソン五輪強化コーチ、今村文男競歩五輪強化コーチらトップがずらり。会見が始まるや、麻場委員長が「あってはならない決定」と言えば、河野ディレクターは「IOCの決定、というのが非常に高圧的。理解不能な移転で、決定のプロセスがよくわからない、理由が明確でない。なぜマラソンと競歩の2種目だけ移転しなければならないのか」と怒りを爆発させた。瀬古プロジェクトリーダーは「IOCの力の前ではどうにもならない。ダメだといえば、五輪からマラソンをなくすということになるという思いがあった」と苦しい胸の内を語ったが、時すでに遅しだ。

 札幌移転問題で蚊帳の外に置かれていただけでなく、この日は陸連の連携ミスまで露呈した。

 札幌案が浮上した際、河野ディレクターは選手や監督、コーチなど現場の意見をメールで集約。IOC調整委員会に提出するために集めたというが、これを受け取った風間明事務局長は陸連としての見解を把握するために募ったものだと説明。「調整委に出すために受け取ったとは認識していない。誤解があった」と話した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  2. 2

    ソフトB近藤健介の原動力は「打倒 新庄日本ハム」…憂き目にあった2022年の“恩返し”に燃える

  3. 3

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  1. 6

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  2. 7

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  3. 8

    藤浪晋太郎に日本復帰報道も、古巣阪神出戻りは「望み薄」…そして急浮上する“まさか”の球団

  4. 9

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 10

    自民・鶴保失言「運のいいことに地震」で苦戦の二階ジュニアに赤信号…参院選“仁義なき紀州戦争”決着か