著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

三重苦のキルギス戦「逆に楽しい」SB長友が意気込み語った

公開日: 更新日:

 9月のミャンマー戦(ヤンゴン)から2022年カタールW杯アジア2次予選3連勝と好調な滑り出しを見せている森保ジャパン。だが、4戦目となる14日の敵地・キルギス戦(ビシュケク)は移動疲れに寒さ、劣悪ピッチの三重苦。今回の遠征で日本代表出場数歴代2位のDF井原正巳(柏コーチ)に並ぶ見通しのDF長友佑都(33歳・ガラタサライ)は「自分が試される。逆に楽しい」と開き直ったが、果たして日本は首尾よく勝てるのか。

 中央アジアに位置する旧ソ連の国・キルギスは人口600万人。日本からの直行便はもちろんない。森保一監督と国内組はニューデリー経由で現地入りしたが、欧州組もロシア経由が中心。筆者はコスト第一で韓国・ソウルとカザフスタン・アルマトイで2度の乗り換えを選択。2日がかりで11日昼に到着した。

 経由地のアルマトイは、中田英寿らが参戦した2000年シドニー五輪予選で99年秋に一度、行っているが、当時の面影はなく、モダンでオシャレな街に変貌。英語を話す人も多くなって驚かされた。

 ただ、内陸国は冬の到来が早い。早朝のアルマトイは小雪が舞っていたが、天山山脈の麓にあるビシュケクも標高800メートルの都市だけあって強烈に寒かった。日中は快晴にもかわらず、午後4時の気温は5度以下。試合当日は午後5時15分(日本時間 午後8時15分)キックオフで、零度前後になることも考えられる。選手たちは想像以上にタフな戦いを強いられそうだ。

 空港から試合会場のキルギス国立競技場(正式名称=ドレン・オルムザコフ・スタジアム)までは車で約40分。空港ではタクシーの客引きがまとわりついてきて困ったが、旧ソ連の国で普及している配車アプリ「Yandex」を使用。わずか500ソム(約750円)で移動した。通信無制限のシムカードが2ドル(約220円)、日本戦の試合チケットも250ソム(約400円)で購入できるところを見ても、物価の安さが分かるだろう。

 しかしながら、街中は舗装されていない道が多く、競技場の老朽化も著しい。ピッチはところどころが剥げ、芝生よりもクローバーや雑草の方が多いくらい。スタンドもボロボロ。「Media」と書かれた一角の机付きの席に座ると一瞬で上着が真っ白になってしまった。

 10月のタジキスタン戦(ドゥシャンベ)も日本代表は人工芝ピッチに苦しみ、試合の入りがうまくいかなかったが、今回も同じ轍を踏まないとは限らない。まずは環境適応が最大のテーマになりそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋