松坂が「生きた教科書」とは失礼な話 バカを言いなさんな
3年前のちょうどこの時期だ。WBC日本代表の投手コーチを仰せつかった私は、侍ジャパンに選出された選手を視察するため、12球団のキャンプ地を巡った。
「すごいじゃないか。いいボールを放っとる。WBCの開幕戦、頼むぞ」
ソフトバンクの球場に足を運び、そう声をかけた相手は、代表エース候補だった千賀――ではない。メジャーから日本球界に復帰して3年目、それまでのソフトバンクでの2年間で1試合しか一軍マウンドに立っていなかった松坂大輔(39)である。話をしている横から、同級生左腕の和田毅が口を挟む。
「権藤さん、ボクはダメですか?」
「肩肘に問題がないのなら、呼ぶ。でも、残念ながらオレはコーチで、権限がない。オレが監督だったら、松坂と一緒に呼ぶんだけどな」