著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

金メダル以外は敗北…打倒ソ連のために敵将も丸裸にした

公開日: 更新日:

1976年モントリオール五輪・女子バレー金メダル監督 山田重雄さん(上)

 1967年、日立女子バレーボール部を率いる山田重雄は、日本代表監督に就任。翌年のメキシコオリンピックに臨み、決勝戦でソ連に敗れたものの銀メダルを獲得した。

 ところが、世間は冷たかった。4年前の東京オリンピックで東洋の魔女が金メダルを獲得していたからだ。生前、山田は私に当時の心境を語った。

「ソ連に負けた10月26日は私の37歳の誕生日だったが、誰も祝うどころか裏切り者扱い。試合前にスポーツ紙の特派員で石原裕次郎が来て、取材させろと。若い選手は大スターが来たんでは動揺すると思い、私は取材を拒否した。裕次郎もバレー協会もカンカンに怒ったね。まあ、金メダルを取っていれば美談になったかもしれないが、負けたためボロクソ。帰国後も見ず知らずの人間から『バカ野郎!』と言われる。私が罵声を浴びせられるのはいいが、選手たちは可哀想だった」

 そのことがあって以来、山田は「金メダル以外は敗北」と胸に刻む。72年のミュンヘンオリンピックは小島孝治が監督を務めて銀メダルだったので、4年後のモントリオールでの金メダル獲得を目指す。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意