著者のコラム一覧
六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

追憶のマラドーナ 「神の手」と「5人抜き」ゴールの思い出

公開日: 更新日:

 大会初戦の韓国戦は<テコンドーサッカー>と揶揄されるほどの肉弾戦を強いられたが、マラドーナの3アシストから3-1の勝利を収めた。

■現地にいながら世紀のプレーを目撃できず

 このメキシコW杯でマラドーナは世界の頂点に立ったが、彼の訃報に際して多くのメディアが紹介したのが、準々決勝イングランド戦の2ゴールだった。サッカー史に残る「神の手ゴール」と「5人抜きゴール」である。実は……この後世に語り継がれる世紀のプレーを、筆者は現場にいながら見ていない。

 もちろんアステカ2000スタジアムで居眠りをしていたわけではない。その理由とは……。

 前日の6月21日は、準々決勝の第1試合が行われ、取材担当カードは、グループリーグでブラジルが居座っていたグアダラハラ(ハリスコ・スタジアム)でのブラジルーフランス戦だった。

 将軍プラティニ率いるフランスがW杯初制覇の悲願を達成するか? それともケガで一度もプレーしていないジーコがピッチに登場するか?

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