著者のコラム一覧
六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

追憶のマラドーナ 「神の手」と「5人抜き」ゴールの思い出

公開日: 更新日:

 これだ! 実況のアナウンサーが、絶叫しまくっていたのも納得できた。

 結局、並外れたスーパーゴールを見逃したことになるが、不思議と悔しいという感情が沸き上がってくることはなかった。

 恐らくーー。タクシーの中とはいえ、同じメキシコの地で<世紀の一瞬>を共有できたからではないだろうか。それは決して強がりではない(と今でも信じている)。

■開始7分の先制点を見逃した1979年

 1979年の夏を改めて思い出す。金はないけど時間ならいくらでもあった大学生時代。実家のある板橋区から原付のカブで大宮サッカー場まで何度も通った。お目当てはもちろんマラドーナだ。

 しかし、グループリーグのポーランド戦では、トイレに行っている間に開始7分のマラドーナの先制点を見逃したことを白状しよう。

 メインスタンド左側にあるトイレの便器に向かって用を足していると、スタジアムが歓声に包まれた。慌ててチャックを締めてトイレを飛び出したが、すでにマラドーナは歓喜の輪の中だった。

 現場にいながらマラドーナのゴールが見られないなんて! それから7年後。「神の手」と「5人抜き」を見逃すことになるのは! 奇縁と言うしかない。(この項つづく)

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