生え抜き菅野のポスティングが意味する読売巨人軍の変節
日本シリーズはあっという間に終わり、博多の冬を賑わす相撲は東京で片が付き、この後の福岡国際マラソンも無観客。果たして有馬記念の怒号は聞けるのか……コロナ禍の寂しい年の暮れだ。
そんな中、巨人の菅野智之がポスティングでメジャー挑戦する可能性があるとの話題に改めて時代の動きを感じた。巨人投手のポスティング移籍は昨年の山口俊(ブルージェイズ)の例があるが、生え抜きの放出となれば菅野が初めてになる。
日本の野球は早慶戦など学校対抗戦から裾野を広げた。プロ野球も戦前に旗揚げしたが、東京六大学リーグの陰で〈職業野球〉すなわち、カネ目当てと蔑視された。法大から近鉄―巨人と渡った関根潤三が、六大学とプロの両方のピークを味わったと話していたことがある。長嶋茂雄の登場によって職業野球は社会的地位を得たと述懐した。
■矜持の納めどころに困った