東京五輪に暗雲…菅首相に突き付けられる4.16“土下座”訪米

公開日: 更新日:

中途半端な外交姿勢

 そもそも、バイデン大統領は五輪開催について「科学に基づくべき」と明言している。そこで、いま懸念されているのは、バイデン大統領が日本の足元を見て過度な要求をしてくるのではないか、ということだ。

 対中強硬派のバイデン大統領は、中国による少数民族への人権侵害や、台湾防衛のための安全保障、サプライチェーンの見直しを掲げ、対中政策の「踏み絵」を日本に迫ろうとしている。

 政権維持のために、どうしても五輪を開催したい菅首相は、バイデン大統領が「アメリカの選手団を派遣する!」と言ってくれれば万々歳だから、それと引き換えに、米国の要求をのみかねない、とみられている。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。

「本来、日本は、中国になびいて欲しくない米国と強気に駆け引きできる立場のはず。五輪開催を保証してもらうのは当然として、日米安保における日本の裁量権や、極東有事における米国の防衛義務についても交渉できるのです。しかし、現状は米国に従わざるを得ず、中国の反発を受け止める覚悟もない。あまりにも中途半端です。米国に強気に出られない以上、足元を見られて当然です」

 五輪ありきだから、コロナ対策も外交も中途半端なのである。最悪の首脳会談となりかねない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情