ヤクルト村上「メジャー挑戦 早いほどいい」と断言できる精神構造とは…専門家が読み解く

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「早ければ早いほどいいです。球団との話し合いになりますが、行けるのであれば早く行きたい」

 史上最年少で三冠王を獲得、日本人最多の56本塁打を放ったヤクルト村上宗隆(22)が昨14日、日本記者クラブで会見し、「入団した時から挑戦できる権利を得られたら挑戦したい思いはあった」とあけすけにメジャーへの思いを口にした。

 三冠王については「正直、今は実感はない」としつつ、本塁打記録更新を振り返った際には、「最後の55本を打ってから、60打席あって最後56本。自分の中で立て直したというより、踏ん張って踏ん張って試合に出続けた結果が最後の56本と思っている。苦しみながらもがき続けて、相手のことを考え続けて。自分の調子がよくないとわかりながら打席に立つ恐怖心もあった」と、生みの苦しみを吐露。

「自分にもっと期待して、60本、61本と違う目標を立てていたら、また結果が違ったのかなと少し後悔しています」と話した。そして来季の目標については、「現実的な数字はすべて狙いたい。可能性はあるので、狙える数字は全部狙っていきたい」と、決意を込めた。

 弱冠22歳にしてプロ野球の頂点に立った「村神様」。メジャー挑戦を夢に掲げる選手は多いものの、まだプロ5年目を終えたタイミングで「早ければ早いほどいい」と公言する選手はかつていなかった。多少なりとも球団に配慮するからだ。

 ヤクルトも村上のメジャー志向は把握しているとはいえ、海外FA権を取得するのは、最短で5年後の2027年。それ以前に挑戦するためには、球団にポスティングを容認してもらう必要がある。村上の発言を聞いて、苦笑いを浮かべたフロントもいたかもしれない。

■精神科医が感じた村上の伸びしろ

 精神科医で成城墨岡クリニック院長の墨岡孝氏は「間違いなく、今の偽りない気持ちだと思います」と、こう続ける。

「何でも素直に言ってしまう幼いところがあると思いますが、計算して発言しているわけではなく、こうした素直さで純粋なところが村上選手の長所であり、成績にも結びついているのではないか。ただ、はたから見ていると、若さや体力を前面に押し出してやってきた面もあるでしょうし、56本塁打を意識しすぎて、プレッシャーを感じていたことも想像に難くありません。プレッシャーをバネにしている部分もあるのでしょうが、長い野球人生、若さと体力だけで押しきれるものでもない。そこは村上選手も理解しているはずですし、ウラを返せば彼の伸びしろだと思います」

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