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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

アマ時代の五輪や代表戦の観念にいまだしがみつく…日本テニス協会の“ガラパゴス”

公開日: 更新日:

 その大坂は今季14勝11敗、直近6大会で1回戦負けが4回あった。カナダ、ロシア、米国にも似たような選手のスランプはあるが、国全体が崩れてしまう例はない。ぽっかり穴のあいた現実はポスト五輪、すなわちポスト大坂の空白だ──。

■大坂依存からの脱却はあるか

 大坂依存の背景は日本の強いオリンピック志向、具体的には日本テニス協会のJOC依存にある。メダル数に比例した助成金配分だけでなく、JOC管轄の「味の素ナショナルトレセン」を拠点とし、強化コーチの経費など、アマチュア団体並みに依存している。プロ選手をアマチュア協会が差配していると言えるかもしれない。

 日本テニス協会は1922年3月に発足し今年、100周年を迎えた。デ杯初参戦で米国と決勝を戦い、思いがけない分配金の受取機関として設立された。以来、協会は一貫してデ杯を中心に代表戦を優先させ、かつては選手も代表に選ばれることは大きな名誉だった。

 ところが、国際化、商業化、プロ化が進んだことで、これはテニスだけでなく、あらゆる競技が、国の威信をかけた忠誠心や自己犠牲では片づけられないところまで煮詰まってしまった。そこでデ杯は名物のロングゲームをやめ、5セットマッチやホーム&アウェーも廃止し、BJK杯も同じような流れで形を変えた。3年前にできた新たな国別対抗戦ATPカップは来年には、男女混合の「ユナイテッドカップ」へ移行する。

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