元阪急・高井保弘 圧巻の予告決勝弾「俺が決めちゃる。おまえは道具持ってバスで待っとけ」

公開日: 更新日:

高井保弘(元阪急野手)

 1981年9月3日の阪急対西武戦、2対2の同点で迎えた九回裏に阪急の高井保弘が試合を決めるサヨナラ本塁打を放った。それは、現在でも世界記録となっている通算27本目の代打本塁打だった。

 愛媛の今治西高から社会人の名古屋日産を経て64年に阪急に入団。しかし、守備に難があり二軍で本塁打王2回、首位打者1回、打点王2回と打ちまくりながら、外野手としても一塁手としてもレギュラーが取れない。そこで高井が活路を求めたのが、一振りに懸ける代打であり、当時の日本タイ記録となる年間5本の代打本塁打をマークした72年を機に、球界ナンバーワンの代打男として他球団の投手に恐れられるバッターとなった。

 そんな高井がその名をファンに強烈に印象づけた試合がある。74年7月21日に後楽園球場で行われたオールスターゲーム第1戦だ。この年、パ・リーグの監督を務めた野村克也は一発の魅力のある高井を監督推薦でメンバーに選んだ。

 九回裏、全パは1点のビハインドで走者一塁の一打同点のチャンス。この場面に野村は当然、高井を代打に指名した。全セのマウンドには150キロを超える速球が自慢のヤクルト松岡弘。その2球目をとらえると、打球は左中間スタンドに突き刺さるオールスター史上初の代打逆転サヨナラホームランとなった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし