著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大谷3度目MVPに「50-50」は不可欠…MLB打者の理想像は《走攻守のいずれでも活躍する選手》

公開日: 更新日:

「打席にしか立たない指名打者は4打数無安打であれば勝利に寄与しないが、リンドアは打てない試合でも守備で勝ちに貢献している」という趣旨の指摘は、多分に昨年までメッツで一緒であったショーウォルターとリンドアの関係を反映している。

 ただ近年、MVPの選出に際して重視されている総合的な指標である(ファングラフスの)WARでリンドアが大谷を上回っている点は、ショーウォルターに代表される懐疑論に一定の真実味を与える。

 確かに、主としてDHとして出場し、守備に就く機会の少ない選手がMVPとなるのは、2021年の大谷を待たねばならなかった。

 史上最高の指名打者と称されるエドガー・マルティネスも1995年にMVP投票で第3位となったのが最高である。

 この背景には、DHは守備や走塁で見劣りする選手が打力を生かすための場所という考えとともに、打者であれば走攻守のいずれでも活躍する選手が理想だというMVP像がある。

 大谷の過去2度のMVPも、DHであるだけでなく投手でもあったことがWARを引き上げた結果と言える。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    横浜高では「100試合に1回」のプレーまで練習させてきた。たとえば…

  3. 3

    健大高崎158キロ右腕・石垣元気にスカウトはヤキモキ「無理して故障が一番怖い」

  4. 4

    中居正広氏「秘匿情報流出」への疑念と“ヤリモク飲み会”のおごり…通知書を巡りAさんと衝突か

  5. 5

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  1. 6

    前代未聞! 広陵途中辞退の根底に「甲子園至上主義」…それを助長するNHK、朝日、毎日の罪

  2. 7

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  3. 8

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  4. 9

    あいみょんもタトゥー発覚で炎上中、元欅坂46の長濱ねるも…日本人が受け入れられない理由

  5. 10

    あいみょん「タモリ倶楽部」“ラブホ特集”に登場の衝撃 飾らない本音に男性メロメロ!