著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

「キャプテン・アメリカ」への期待は優勝だけでない…来春WBCにソロバン弾くMLBの思惑

公開日: 更新日:

 選手会とともにWBCを主催する機構にとって、トラウト以上に知名度のあるジャッジが出場することはそれ自体が大きな出来事であり、今後も折に触れて米国代表キャプテンの話題を取り上げれば、それだけ人々の関心を引き付けられるという計算がある。

 第2は、協賛企業の獲得への寄与である。現在、大リーグでテレビCMの契約料などの副収入が最も多いのは大谷翔平(ドジャース)である。大谷がWBCに参加すれば、日本企業が相次いで大会の協賛企業となるであろうことは、今年3月のドジャースとカブスの日本開幕戦が実証する通りである。そして、大谷に次いで副収入が多いのはジャッジである。

 ジャッジが主将としてWBCに出場すれば、大谷の場合と同じく、ジャッジを宣伝に起用している企業が大会を協賛したり広告を出したりすることが予想される。

 そして第3が、特にテレビ放映権料の引き上げである。決勝戦は大谷とジャッジが対戦するかもしれないとなれば、WBCへの関心の高い日本のテレビ局にとって放送の機会は逃したくない。売り手にとって、前回は20億円ともされる日本での放映権料を引き上げるにはジャッジの参加が大きな材料となるし、買い手としても視聴率という実績は見込める。

「キャプテン・アメリカ」に期待されるのは、優勝だけではないのである。

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