東東京・岩倉高の快進撃を支える「ノムラID」…元ヤクルトスコアラーが相手校を丸裸に
確かなデータ収集と対策
守っては内角中心の強気のリードで投手を引っ張った。河村は「帝京の打線は、外角のスライダーと直球に強い傾向がある。(死球は)申し訳なかったです。内角を攻めないと抑えられないと思った」と話したように、先発の上原(3年)、2番手の佐藤(2年)に徹底的に内角を要求。計7死球を与えたものの、引くことなく帝京打線を攻め続けた。
相手校の分析で大きな役割を担っているのが山口重幸コーチ(59)だ。1984年春の甲子園で、エース兼4番として優勝投手に。同年ドラフト6位で阪神に入団し、自由契約となった94年オフに、野村克也監督が率いるヤクルトにテスト入団。引退翌年の97年から打撃投手、スコアラーを歴任した情報分析のスペシャリストだ。
その山口コーチは河村について、「2ストライクに追い込まれるまで、しっかり狙い球を絞っていける思い切りの良さがある」と評価する。
岩倉の快進撃には、ノムラID仕込みの確かなデータ収集と対策がある。この勢いで甲子園に進出すれば、ますます存在感を発揮しそうだ。