プロ野球コーチ“横滑り多発”の裏に深刻な人材難…「割に合わない」イメージ定着で新陳代謝進まず
故・野村克也氏「処世術が優先で能力が評価されていない」
今季最下位のそのヤクルトからは、退団した嶋基宏ヘッドコーチ(40)が中日の同職に横滑りすることも内定している。この日は、7日にソフトバンクから契約を切られたばかりの松山秀明二軍監督(58)がロッテの一軍チーフ内野守備走塁コーチに就任することが発表された。
「松山コーチはサブロー新監督とPL学園の先輩後輩という縁が大きい。そもそも1998年にオリックスで現役引退後、オリックス、阪神、韓国・起亜、ロッテ、ソフトバンクと27年間一度もユニホームを脱いでいません。守備走塁指導のスペシャリストとしての評価が定着しているものの、球界全体の指導者の人材難を示すものでもあります。嶋、石井両コーチにしても、最近はコーチのたらい回しというか、横滑りが増えた。監督、コーチは結果が出なければSNSの標的になるし、契約金を出さない球団も増えている。特に若手、中堅のOBにとっては“割のいい仕事じゃない”というイメージがあり、それも指導者の新陳代謝が進まない理由のひとつでしょう」(球界OB)
名将と言われた野村克也氏は生前、指導者の人材不足に触れて「今は処世術が優先で能力が評価されていない。それも監督の人材不足のひとつの原因だと思うね」と嘆いていた。