著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ド軍ロバーツ監督は最低ラインをクリア 大リーグ監督の役割は四半世紀で劇的に変化した

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 一方、タイガースでガーナーの前任者であったラリー・パリッシュは違った。筋力トレーニングが趣味で、大リーグ15年間で256本塁打を記録した経験から、同程度の成績の選手がいる場合、より体の大きい選手を優先して起用した。

 パリッシュがタイガースの監督として2年目を迎えた1999年、チーム本塁打は212本、盗塁は108であった。これに対し、ガーナーがタイガースを率いて2年目の2001年は139本塁打、133盗塁だった。あたかも、わずか2年の間に全く別の球団となったかのようであった。

 タイガースの事例は、監督が球団のあり方に与える影響の大きさを示している。

 しかしながら、この四半世紀で大リーグの監督の役割は変化している。昨年7月に通算2000勝を達成したテリー・フランコーナ(レッズ)は現在の優れた監督の一人である。そして、その本領は球団に希望する選手の獲得を求めるのではなく、球団が用意した選手を巧みに起用し、勝ち収める手腕だ。

 さらに、2016年からドジャースの監督を務めるデーブ・ロバーツも、現在まで一度もプレーオフへの進出を逃していない。球団にとって、ロバーツは有望な選手を集めるために行っている多額の投資に対して、最低限の義務を果たしていることになる。

 大リーグの監督に求められるのは、球団の投資物件である選手の有効活用や、選手層の薄さを補う指導力であり、自分の好みに合わせて選手の入れ替えを行うことはますます過去の出来事となってゆくのである。

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