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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

引退表明・錦織圭の足跡から学べること 日本人離れした技は 「フロリダの庭」で磨かれた

公開日: 更新日:

「ぼくはあの人にまったく相手にされなかった。野球にすればよかったと何度思ったか」

 ニックに溺愛されたアガシも自伝で、アカデミーが嫌で、父親を心底恨んだと告白している。だが、ニックは気さくなオジさんだった。結婚離婚を繰り返し、慰謝料に追い回されていたが、錦織の話になると相好を崩して「ケイは別格だよ」と手放しで褒めた。相性が良かったのだろう。

 国内のスポーツの根っこに学校体育がある。団体戦の勝ち負けを軸にした指導には長所もあるが、エースもミスも同じポイントになる個人戦のテニスで、この戦略に伸びしろはない。ミスをせず相手のミスを待つ、すなわち防御中心の消極的なチームプレーは個性を削る。見せ場もつくれない。

 西岡良仁はジュニア時代から気性が荒く、熱くなってラケットを投げ悪態をついた。日本にいたら間違いなく潰されただろう。激しい気性の先に、ツアーで最も身長の低いチビのツアー3勝があった。松岡修造は別キャンプの育ちだったが、当時稀な188センチという長身のサーブが評価されて渡米、そこを磨きツアー優勝。日本では「サーブ&ボレーミス」と陰口をたたかれていたのだ。

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