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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

マラソンは心臓に悪い? 市民ランナー152人を10年間追跡

公開日: 更新日:

 運動健康に良い影響を与えることは、言うまでもなく科学的事実です。ただ、体に強い負荷をかけるハードな運動を長期間続けることは、健康に悪影響を与える可能性もあります。

 心臓病の患者さんにリハビリが有効なように、運動は心臓の健康のためにも良いとされる一方で、ハードな運動が心臓に負担をかけ、心臓の働きを低下させるという、気になる報告もあります。

 たとえばマラソンをすると、血液のトロポニンTという数値が上昇します。この検査値は心臓の筋肉が壊れていると上昇し、心筋梗塞などの指標とされています。

 つまり、マラソンをすると心臓の筋肉に一定のダメージが起こるのです。これは通常一時的な変化ですが、継続してマラソンをしていると、そのダメージが蓄積されて、心臓の働きが低下することはないのでしょうか?

 昨年の心臓疾患の専門誌に、マラソンを趣味としている市民ランナーを対象とした臨床研究の結果が報告されています。マラソン愛好の市民ランナー152人を10年間観察したところ、マラソンを走った直後にはトロポニンTの上昇が認められましたが、3日後には正常になっていました。そして10年後の検査では、心臓の収縮力はわずかに低下していました。

 マラソンをすることで心臓には一定の影響がありますが、おおむね一時的なもので、長期的に強い影響を受けることはないようです。

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