古典を現代語訳で読む特集

公開日: 更新日:

 13の視点から源氏物語を楽しむヒントを紹介。現代語訳にして10巻の全巻読破に挑む前に、まずはそのエッセンスを味わうための入門編としておすすめ。

(祥伝社 1700円+税)

■「すらすら読める奥の細道」立松和平著

 月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人なり――古文の授業で暗記させられた冒頭の有名な書き出しが、いまだに頭から離れない人も多いのではないだろうか。

 俳聖と呼ばれた芭蕉(1644~94)の紀行文「奥の細道」を自らも旅に生きた作家が現代語訳した本書は、忠実な現代訳に加え、1章ごとに作品の主題について思索を深める訳者のエッセーが添えられ、より作品への理解を助けてくれる。

 何物をも所有せず、「言葉」だけを手に、旅をすみかとし、旅に生きて死ぬ「捨身行脚の生き方」を貫いた芭蕉。そのやむにやまれずに出かけた旅の記録は、学生時代とはまた違った感慨を読者に抱かせてくれるに違いない。

(講談社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  2. 2

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  3. 3

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?

  4. 4

    「俺は帰る!」長嶋一茂“王様気取り”にテレビ業界から呆れ声…“親の七光だけで中身ナシ”の末路

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    トイレ盗撮も…谷村新司が息子を叱れない“恥ずかしい過去”

  4. 9

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 10

    西野カナ×Perfumeショットにファンびっくり…ザワつき巻き起こした「のっち不在ショット」を読み解く