著者のコラム一覧
宮城安総工作舎アートディレクター

1964年、宮城県生まれ。東北大学文学部仏文科卒。1990年代から単行本、企業パンフレット、ポスター、CDジャケットなど幅広く手掛ける。

洒落たパッケージの“キット”本

公開日: 更新日:

「レーウェンフック式スマホ86顕微鏡」

 アントニ・ファン・レーウェンフック(1632―1723)。オランダ・デルフト生まれの科学者。ガラス玉を用いた「単レンズ仕様」の顕微鏡を発明。当時としては驚異的な倍率と分解能を誇る。細菌、赤血球、水中の微生物等を歴史上初めて観察し「微生物学の父」と呼ばれる(ちなみに同郷同年生まれの画家・フェルメールの絵のモデルとなる一方、画家の死後、遺産管財人を務めた)。

 さて本パッケージの目玉は、高精度光学ガラス製、4ミリボールレンズ。レンズをはめ込むブランケット/PET樹脂製プレパラート/光拡散板が付属。これらをスマホやタブレットのカメラに設置すると、光学86倍の顕微鏡になる。スマホのデジタルズームを併用すれば344倍に、当然ながら動画も撮影可能。つまり、約300年前のレーウェンフックの発明を今日的ガジェットの力を借りて再現するキット=知育教材。といえば堅苦しいが、後述のようにパッケージ・デザインも洒落つつ一工夫。植物細胞等の「ミクロ写真カード」35枚のオマケも、楽しくも美しい。

 169×161×10ミリ。透明ケース入り。キット一式の一番手前には、余白を生かし商品名+写真3点をあしらった「表紙」を封入。さらに黄色の薄手の段ボールが透明ケースを覆う。店頭ではシュリンク包装のため分かりにくいが、何やら細かい模様のデコボコとした感触が期待感をあおる。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解