「世界の刀剣歴史図鑑」ハービー・J・S・ウィザーズ著 井上廣美訳

公開日: 更新日:

 石器時代から第2次世界大戦に至るまでの長大な刀剣の歴史を概観する豪華図鑑。人類の発展に伴走しながら進化を遂げてきたその経過を解説するとともに、800点以上もの美しい写真で世界各国の宝刀を紹介する。

 刃を備えた道具が現れたのは、約250万年も前のはるか昔。石器時代の人々がフリント(燧石)と黒曜石で作ったシンプルな狩りの道具が始まりだ。しかし、近隣部族との紛争が起きると狩猟用の道具は、すぐに戦闘用の武器へと転用されるようになる。

 青銅器時代(紀元前3500~700年ごろ)に金属鉱石を精製・溶解・鋳造する技術が生まれると、中東の古代文明が青銅(銅合金)を組み合わせて、やり、ダガー(短剣)、刀剣、おのを作り始め、さらにもっと丈夫な鉄製の剣身がある刀剣が製作されるようになった。こうした技術が世界中に伝播し、各地域で独自の発展を遂げていく。

 組織的に戦争を行った世界最古の社会であるシュメール文化(紀元前3000年ごろ)では、地域社会の防衛を職業軍人による常備軍が担っていた。彼らが使うのは主にやりと弓だったが、紀元前2500年ごろから鋭く湾曲した「シックルソード(鎌剣)」も携えるようになった。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?