「奇跡の出版人古田晁伝」塩澤実信著

公開日: 更新日:

 古田晁は長野県筑摩地村に生まれた。生家は分限者だったが、放蕩で借金まみれになった父は、アメリカに渡りギャンブル・ハウスで財をなす。東大を卒業した晁は、中学時代からの同級生、臼井吉見にけしかけられて出版社を始めようと考えた。遠縁の森山書店の社長や同郷の岩波書店の創業者に相談したが、文芸書の出版は経営が成り立たないと反対された。失意の晁は他の仕事を模索するが、やはり出版しかないと決意し、父に資金援助を頼んで筑摩書房を起こす。そして1冊目の著者として選んだのが、特高に執筆を禁止されていた中野重治だった。骨太の出版人・古田晁の生涯を描いた一冊。(東洋出版 2400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁