「右だ」「左だ」のレッテル貼りに痛快な反論

公開日: 更新日:

「9条は戦争条項になった」 小林よしのり著/角川新書/800円+税

 1999年発売の「新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論」(幻冬舎)にて、過度な自虐史観を改めるべきだという提案をした小林よしのり氏は、いつしか「ネトウヨの生みの親」といわれるようになった。しかし、彼らの排外的な主張に対して批判的な発言をここ数年してきたことから、「手のひら返しをした」とネットでは書かれがちである。

 本書は、小林氏が考える「保守」「愛国」「民主主義」が一体どんなものかをみっちりと解説したもの。普段小林氏はこうした件についてブログにて短文で紹介するため、一部だけを切り取られ、前出のような「手のひら返しをした」といわれるが、本書を読むことにより、同氏の考えが1990年代から一切ブレていないことが分かる。小林氏は「戦争論」では右派的論を唱えるも、脱原発や安保法制反対といった左派的発言をする。これが「ブレている」の根拠となっているが、同氏はこう反論する。

〈単純にイデオロギーの仕分けをし、自分のポジションを「右」に決めたら、自動的に「安保法制賛成、安倍政権支持、原発推進、憲法改正」などは全部ワンセットだと思い込み、その枠に従ったことしか言わなくなる。こういうのを「ポジション・トーク」という〉

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも