「恥ずかしい」首相の原点がわかるエピソードに納得

公開日: 更新日:

 長い政治記者の取材に基づいて安倍の「血脈と生い立ちの秘密」を追ったこの本で驚いた後に、さもありなんと思ったのは次の事実である。

 大学を出てまもなく南カリフォルニア大学に文字通り遊学した安倍は強度のホームシックにかかり、やたらと東京の実家にコレクトコールをかけてきたという。

 安倍家の関係者によれば、毎晩のようにかけてくる国際電話代が10万円にもなる月が続いて、さすがに父親の晋太郎が、

「何を甘えているんだ。それなら日本に戻せ!」

 と声を荒らげたとか。

 それで安倍は戻ってくる。

「ウメさん、入れて」

 と中学生になっても養育係の久保ウメの布団に入ってきた安倍のひ弱さは現在まで続いているのだろう。久保は安倍を「何でも自分の思う通りに運ばないと気に食わないわがままな性格」と断じている。

 1回目の首相で突然辞任した時、イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」は「武士道ではない。臆病者だ」と書き、「南ドイツ新聞」は「安倍氏の問題は自身がトップになったことにある」と報じた。日本および日本国民の問題は安倍を再び首相にし、その独裁を許してしまっていることだろう。★★★(選者・佐高信)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動