【ヒラリーと大統領選】ここにきて対抗馬サンダースに押され気味のヒラリー。一体、彼女に何があった?

公開日: 更新日:

「ヒラリー・クリントン運命の大統領」越智道雄著

 ヒラリーは「好き」と「嫌い」がはっきり分かれるタイプ。ヒラリー論も、著者がヒラリーびいきか反ヒラリーかに分かれる。本書は明らかに前者。

 英米文化論を得意とする著者によれば、ヒラリーは工場主の父に「息子」として鍛え抜かれた。小中学校時代は教師たちが彼女を奪い合うほど際立った存在で、名門の娘ばかりの有名女子大では、見劣りする育ちに内心悩みながらも、抜群の頭脳と強心臓で古いしきたりを打破。級友たちに「未来の女性大統領」を予感させたほどだという。

 結婚はまさに野心家同士の運命の絆。「きみと恋に落ちるのはこわい。きみは大物だから何にでもなれる」と口にしたビルは、ヒラリーにとって女であるがゆえの壁を打ち破って上を目指すための「分身」だったのだ。ビルの女癖の悪さも著者は、ヒラリーが仕事魔の分だけ「性的に淡泊」で、「ビルはセックスメートを他に求めざるを得なかった」とあっさり片付ける。

「ビルって大した男よね。この私に求婚したのよ」と言ってのけたヒラリー。その自信こそが、ここにきて彼女に突き付けられた世間の反発のもとかもしれない。(朝日新聞出版 780円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ