「ウンコな議論」ハリー・G・フランクファート著、山形浩生訳

公開日: 更新日:

 意表を突く書名だが、その内容はいたって真面目で、高名な道徳哲学の重鎮が「真実を一顧だにせぬ、その場しのぎの戯言でしかない」議論=ウンコな議論や屁理屈について分析した小論文。

 誤解を招くような歪曲表現だが嘘には至らない「おためごかし」などを例に、ウンコ議論の本質的な特徴を考察。それを発する人間の心の状態にまで踏み込みながら、ある場合にはウンコ議論は嘘よりもはるかに悪いと説く。ではなぜ人はウンコ議論や屁理屈を口にするのか。意見を求められた際「知らない」「意見はない」と言うことが恥ずべきこととされるような風潮が広がっているため、人々はやむを得ず大量のウンコ議論や屁理屈をばらまくようになったと説く。

(筑摩書房 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃