ロープウェイもれっきとした鉄道の仲間

公開日: 更新日:

「絶景!日本全国ロープウェイ・ゴンドラ コンプリートガイド」中島信著

 観光地やスキー場などに設置されたロープウェイやゴンドラ。空中散歩が楽しめるこれらは、実は「索道」として分類される、れっきとした鉄道の仲間だそうだ。

 鉄道ファンの著者は、国内の鉄道全制覇に飽き足らず、ロープウェイ・ゴンドラの全制覇も達成。乗り歩くうちにその魅力にすっかりハマってしまったという氏が、自ら撮影した絶景写真で案内してくれるガイドブック。

 北は北海道の「富良野スキー場」に架設された「富良野ロープウェー」と「北の峰ゴンドラ」から、南は長崎の稲佐山に架設された「長崎ロープウェイ」まで、国内全138路線を網羅した完全版だ。

 路線の半分はスキー場のゲレンデやスキー場連絡用に架設されており、さらにその半分はスキーシーズンのみの運行で、時刻表にも観光案内にも掲載されていないものも多数あるという。

 立山連峰を貫く立山黒部アルペンルートの一部で、途中に支柱が1本もない「ワンスパン方式」では国内最長の「立山ロープウェイ」(富山県)をはじめ、国内で唯一の湖上(浜名湖)を渡る「かんざんじロープウェイ」(静岡県)、地上高(地表面から搬器〈=乗客を運ぶ部分〉までの垂直距離)が国内最高230メートルの新潟県かぐらスキー場の「田代ロープウェー」など。迫力満点の空中散歩が楽しめる路線があるかと思えば、国鉄時代の切符のように硬券乗車券を常用する千葉県の「鋸山ロープウェー」や、豪華列車ななつ星のデザインで知られる水戸岡鋭治氏によってリニューアルした搬器が自慢の山梨県「身延山ロープウェイ」など、楽しみ方もいろいろだ。

 秋の行楽シーズン真っただ中。上空から眺める紅葉は、また格別のことだろう。

(扶桑社 1700円+税)

【連載】発掘おもしろ図鑑

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に