「<女帝>の日本史」原武史著
日本史に登場する女性権力者=女帝の系譜をたどる歴史テキスト。
東アジアでは、儒教の影響から女性が権力を持つことが忌避されてきたように見えるが、7世紀には中国、朝鮮、日本で相前後して女帝が登場する。推古天皇をはじめ、7世紀から8世紀にかけて、日本では女性の天皇が6人誕生している。推古天皇の時代には甥にあたる厩戸皇子(聖徳太子)が摂政として国政全般を行っていたともいわれてきたが、近年の研究では推古天皇は決して飾りの女帝ではなかったとの見解が有力だという。
以後、女性天皇や、天皇や将軍の母や祖母が、いかに権力を掌握し、そして権力から遠ざかっていったのかを他国の歴史と比較しながら読み解いていく。
(NHK出版 900円+税)