「雑草はなぜそこに生えているのか」稲垣栄洋著

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 植物学の中で最もミステリアスで謎に満ちた植物だいう、雑草の秘密を解説した科学テキスト。

 日本にある種子植物約7000種のうち、雑草として扱われているのはわずか500種ほど。よく目にする主要な雑草は100種にも満たないという。

 雑草が生えているのは道端や公園、畑など人間がつくり出した特殊な環境。つまり雑草と呼ばれる植物は、特殊な環境に適応して、特殊な進化を遂げた、特殊な植物なのだそうだ。

 しぶといイメージがある雑草だが、意外にもその共通の特徴は「競争に弱い」ことという。

 ゆえに雑草は、強い植物は力を発揮できないような人間がいる特殊な場所を選んだのだ。そうした雑草の知られざる生き残り戦略を解説しながら、若者たちに人生の生き方のヒントを伝える。(筑摩書房 840円+税)



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