「広辞苑先生、語源をさぐる」新村出著

公開日: 更新日:

 あの国民的辞書「広辞苑」の編纂者がさまざまな言葉の起源について記した名エッセーの復刻。

 元禄時代に日本語の主な言葉の語源の解釈を試みた貝原益軒は、「日本釈名」という書物で、「月」は尽きる、欠けて尽きていくのだからツキというのだと説いたという。しかし、著者は太古の原始人が月の満ち欠けを知り分けて、満ちていく方ではなく、欠けていく方に注意を払って名付けたとすることに疑問を投げかける。その上で、「時(トキ)」という概念は恐らくは月という言葉から発したものであると、自説を展開する。その他、空やしぐれなど天文や気象にまつわる言葉から、訳語である象徴や自由、そして虎や毒だみなどの動植物まで。文典を駆使しながら縦横無尽に語る。

(河出書房新社 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「かくかくしかじか」"強行突破"で慌しい動き…フジCM中止も《東村アキコ役は適役》との声が

  2. 2

    大阪万博GW集客伸びず…アテ外れた吉村府知事ゲッソリ?「素晴らしい」と自賛も表情に滲む疲れ

  3. 3

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  4. 4

    頭が痛いのは水谷豊だけじゃない…三山凌輝スキャンダルで間宮祥太朗「イグナイト」“爆死”へ加速危機

  5. 5

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  1. 6

    趣里の結婚で揺れる水谷ファミリーと「希代のワル」と対峙した梅宮ファミリー…当時と現在の決定的な違い

  2. 7

    竹野内豊はついに「令和版 独身大物俳優」となった NHK朝ドラ『あんぱん』でも好演

  3. 8

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  4. 9

    永野芽郁「鋼のメンタル」も文春砲第2弾でついに崩壊か?田中圭との“口裏合わせ”疑惑も浮上…CMスポンサーどう動く

  5. 10

    永野芽郁と田中圭は文春砲第2弾も“全否定”で降参せず…後を絶たない「LINE流出」は身内から?