「絶滅生物図誌」チョーヒカル著、森乃おと文

公開日: 更新日:

 地球に生命が誕生したのは約40億年前。以後、現代まで5度の大量絶滅を経て、多くの生き物が生まれては消えていった。

 本書は、かつてこの地球に存在したが、絶滅した生き物たちを精緻なイラストで紹介する図鑑。

 ご存じのように、すべては海から始まった。5億年前の古生代カンブリア紀の「カンブリア大爆発」と呼ばれる生命史最大のイベントで、生物の多様化と進化が加速。節足動物や軟体動物、脊索動物など、現代につながる生き物たちの大きなグループが出そろった。

 そして、「カンブリアモンスター」と呼ばれる奇想天外の姿をした生き物たちが弱肉強食の世界を海の中で展開し始める。

 その頂点に立っていたのが「アノマロカリス」だ。体長1メートルほどで「奇妙なエビ」という名前のこの生き物はトゲだらけの2本の触手と交互に開閉する二重構造の口で捕食するカンブリア紀の絶対王者。

 同じくカンブリア紀の海に生息していた5つの目とゾウの鼻のような長い触手を持つ「オパビニア」や、三畳紀(2億2800万~1億9960万年前)に前脚を翼に変えて空中に進出した翼竜のひとつ「エウディモルフォドン」など、怪獣ドラマに出てきそうな生き物たちをはじめ、姿はオオカミだがカンガルーなどと同じ有袋類のタスマニア島の「フクロオオカミ」や、ピレネー山脈に生息していた野生のヤギ「ピレネーアイベックス」など、現代になってから絶滅した生き物まで69種の絶滅生物を網羅する。

 今、人間に追われるように動植物たちが急速に姿を消している。科学者たちは、この大絶滅を過去の5つの大絶滅に続く「史上6番目の大絶滅」とみる。過去の大絶滅は生き残った生き物の進化を促したが、6番目の大絶滅はひたすら生物種の数が減少しているだけ。その事実に改めて気づかせてくれるおすすめの書。

 (雷鳥社 1500円+税)

【連載】発掘おもしろ図鑑

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  2. 2

    戸田恵梨香「地獄に堕ちるわよ」のヒットで世界進出へ…クリント・イーストウッド目指し「生涯現役宣言」

  3. 3

    とうとう下落に転じた高市内閣支持率…若者と女性の支持が「急落」した裏側

  4. 4

    ドジャースに「サイン盗み疑惑」再燃! 大谷翔平がまたも報復死球のターゲットに

  5. 5

    巨人阿部監督逮捕・辞任で父親世代に衝撃…他人事ではないDV逮捕と、AIが“相談相手”で問われる父親の存在意義

  1. 6

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  2. 7

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 8

    巨人・阿部監督は解任不可避…長女への暴行で現行犯逮捕、“パワハラ気質”が最悪の形で露呈

  4. 9

    萩本欽一(13)母のおかずはみんなが残した魚の骨「真っ白になるまでしゃぶっていた」

  5. 10

    出口夏希の初醜聞にファン失望…“不祥事男”伊藤健太郎との「お泊り愛」報道で巨額違約金の可能性も