「任侠浴場」今野敏著

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 ヤクザの親分、阿岐本雄蔵のところへ兄弟分の永神がやってきた。身内同然の小松崎が、赤坂6丁目の古い銭湯の債権を持っているという。

 だが、暴対法・排除条例で、ヤクザは不動産の売り買いもできない。小松崎はその銭湯の近くで生まれ育ち、思い出がある。銭湯の経営者は続けたいと思っていると聞いて、阿岐本は「俺はな、無理だと思えば思うほど、挑戦したくなるんだ」と言い出した。

 銭湯の経営者に話を聞いてみると、税金や水道料の優遇や補助金もあり、やっていけるはずなのに、阿岐本に立て直しを頼んだ。何か裏があるのでは? そういえば、この話が出た途端に赤坂署のマル暴が来たのもおかしい。「世直し」に燃える任侠の物語。

(中央公論新社 1500円+税)

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