「ひとんち」 澤村伊智著

公開日: 更新日:

 15年前、アルバイト仲間だった歩美と恵ちゃんと香織。つい最近、新居を購入した香織の家で久しぶりに3人で会うことになった。麦茶に砂糖を入れるか入れないかを皮切りにそれぞれの家の習慣の違いを話していると、2階から音がする。香織に聞くと、病気をした犬が2匹いるという。ところが香織が言っている「犬」と他の2人の思っているものにズレがあるらしいことがわかってくる。そしていざ、2階へ上がってみると……。

 ごくありふれた会話に差し挟まれる小さなズレが恐怖に陥れる表題作。小学校のクラスメート全員に3日ずつ怖い夢が襲いかかるという「夢の行き先」。

 自分の手が荒れてかゆくなると、かならず地震が起こるというジンクスを持つ宮本。思いあまって宮本がとった行動とは?(「宮本くんの手」)

 表題作と対をなす「じぶんち」は、スキー合宿から家に帰った卓也が〈ごめんね 先に行きます〉という書き置きを見つけるところから始まる。混乱する卓也の前に現れたのは……。

 ホラー小説界の気鋭が紡ぐ、偶然にも入り込んでしまった日常の裏に潜む恐怖の世界。趣向を凝らした全8編を収録。

(光文社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    《タニマチの同伴女性の太ももを触ったバカ》を2発殴打…元横綱照ノ富士に大甘処分のウラ側

  2. 2

    日本ハムは「自前球場」で過去最高益!潤沢資金で球界ワーストの“渋チン球団”から大変貌

  3. 3

    高市首相が天皇皇后のお望みに背を向けてまで「愛子天皇待望論」に反対する内情

  4. 4

    年内休養の小泉今日子に「思想強すぎ」のヤジ相次ぐもファンは平静 武道館での“憲法9条騒動”も通常運転の範囲内

  5. 5

    新庄監督にガッカリ…敗戦後の「看過できない発言」に、日本ハム低迷の一因がわかる気がした

  1. 6

    『SHOGUN 将軍』シーズン2撮影中の榎木孝明さん「世界的な時代劇映画のプロデュースに関わりたい」

  2. 7

    横綱・豊昇龍が味わう「屈辱の極み」…大の里・安青錦休場の5月場所すら期待されないトホホ

  3. 8

    和久田麻由子アナがかわいそう…元NHKエースアナを次々使い潰す日テレの困った“体質”

  4. 9

    あの細木数子をメロメロにさせて手玉に…キックボクサー魔裟斗のシタタカさ

  5. 10

    細木数子と闘った作家・溝口敦氏は『地獄に墜ちるわよ』をどう見たか? “女ヤクザ”の手口と正体