「あやうく一生懸命生きるところだった」ハ・ワン著・画 岡崎暢子訳

公開日: 更新日:

 ゲーテの「人生とは速度ではなく方向」という言葉を読んだある日、うっかり辞表を社長のデスクの上に落としてしまった。社長は僕の決断を尊重して、快く送り出してくれた。折り返し地点の40歳まできたが、僕は気力も体力も底を突いた。そこで、今日から必死に生きないようにしようと決心した。僕らの社会は競争社会なのに、僕は勝った記憶がない。死に物狂いでやってきたのに。

 ところで、誰に負けているのだろう? これ以上負けたくないから会社を辞めた。会社がいやになったわけでも、イラストの仕事に集中したかったわけでもない。一度くらい、勝ち負けにこだわらない生き方をしてみたかったのだ。

 日常を抜け出して立ち止まった著者のエッセー。

(ダイヤモンド社 1450円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた