「植物はなぜ毒があるのか」田中修、丹治邦和著

公開日: 更新日:

 植物は動物に食べられる運命にある。ゆえに植物は食べ尽くされないように有毒な物質を作り自衛する。つまり、この世に生き残っている多くの植物は有毒な物質を持っていると考えた方がいいと著者は言う。一方で人間は、その毒を病気を治す薬などに役立ててもきた。本書は、植物が持つ毒と、植物と人間の共存・共生の関係を解説したサイエンスエッセー。

 意外にも植物の毒による食中毒事故の患者数が一番多いのはジャガイモだという。他にもビワの種など有毒物質を持つ身近な植物の数々を紹介。さらに人間以外の生き物にとって毒となる植物や、漢方に使われるトリカブトやマラリアの治療薬の原料となる「クソニンジン」など植物から生まれた薬まで。植物が持つ無限のパワーの一端を紹介。

(幻冬舎 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず