「LIFE CHANGING」ヘレン・ピルチャー著 的場知之訳

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 アメリカ、ペンシルベニア州ピッツバーグにある自然史博物館の案内役フレックルズは、外見はヤギだが実はヤギとクモのDNAを持っている。ここには他にも3つの生物種のDNAを持つサケの剥製などがある。

 これらは恣意的に改変された生物だ。環境が変化するスピードが速まると生物の進化も加速し、水質汚染に適応するために毒物に耐性を持つ魚が生まれたり、気候変動に対応する羽色を持つ鳥が生まれる。これらはヒトの行ったことに対する反動である。

 現在、ヒトは地球上の進化の方向を決める主な要因となった。過去の30億年の大半、地球上の新たな種は数千年かけて生じたのに、ヒトの出現により地球の自然史は終焉を迎えた。ヒトが生物を家畜化し、人工授精を行うことで、原始的な家畜品種の多くが絶滅している。

 ヒトによる生命操作がもたらすものに目を向けた警告の書。

(化学同人 2860円)

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