「女優」大鶴義丹著

公開日: 更新日:

 小劇団を主宰する三岳テツロウは、アングラ俳優だった父と新劇の看板女優だった母の一人息子だ。母が有名女優であることを知ったのは小学校の入学式のとき。他の親たちが母を取り囲んで写真を撮っていたからだ。

 母のことを恥ずかしいと感じていたが、大学の演劇部で舞台に立ったとき、変化が起きる。観客席からの視線を見て、かつて向けられた好奇と悪意の瞳が、観客の瞳と入れ替わったように感じた。70歳を過ぎた母は仕事を絞るようになったが、テツロウの恋人、フキコが書いた台本を見て、「この母親の役を私がやりましょう」と言った。それは2人が頼みたいが言い出せなかった鬼母役だった。

 演劇の世界に生きる母子の葛藤を描く。

(集英社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ブルージェイズ岡本和真がファンから支持されるワケ 日本&カナダの“組織票”で球宴スタメンなるか

  2. 2

    高市首相G7サミット「成功」は眉ツバ…トランプ大統領ほか各国首脳からスルーされ“ボッチ”が実態か

  3. 3

    いとうあさこだけでない「育ちの良さ」が隠せない50代女芸人…“実家が太い”“隠れ高学歴”の強者も

  4. 4

    西武が交流戦初Vも…ワガママエース今井達也の放出こそが“最大の補強”だった説

  5. 5

    中傷動画より突っ込まれたくない高市事務所の“急所” 疑惑の本丸「サナエトークン」国会での追及本格化

  1. 6

    任侠界も騒然…当局も確認に走った超大物極道トップの死亡説

  2. 7

    異例の人事が“対岸の火事”では済まない3球団…楽天・吉井新監督はシーズン途中の外部招へい

  3. 8

    白石聖は「豊臣兄弟!」代役から7月連ドラヒロインに大抜擢 “ラッキーガール”にかかる期待とリスク

  4. 9

    松村北斗&目黒蓮の"2強"を崩すSTARTO社の若手演技派は? 男性アイドル戦国時代のカオス

  5. 10

    大谷翔平が尻を“血だらけ”にしながら今季7勝目「こういうこともある」とコメント