「人間らしさとは何か」海部陽介著

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 人間とは、人間らしさとは何か。ソクラテスをはじめ、古来、多くの偉人たちがさまざまな答えを導き出してきた。こうした「古典哲学的人間論」とは異なり、生物人類学・霊長類学・考古学などの最新知見をもとに、この命題にアプローチする「科学的人間論」講義。

 現代人はホモ・サピエンスの1種だけなのに、大型類人猿(ゴリラやオランウータンなど4種)に比べ、生息地が格段に広く、南極を除く地球上の陸地全体に暮らす。

 まずはサルの仲間と比較した、こうした人類の特性を分析。さらに、ホモ・サピエンス以前の人類における人間らしさの進化史をたどるなど、さまざまな学問の融合から人類史を描き出し、見かけこそ多様だが「中身は多様ではない」ホモ・サピエンスの実態を明らかにする。

(河出書房新社 990円)

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