3年ぶりの夏休み!東京街歩きガイド

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「健康さんぽ」東京朝日新聞出版編

 3年ぶりに夏休みを満喫できるかと思ったら、瞬く間に第7波に突入してしまった。お出かけはしたいが、誰だって感染はしたくない。そこで、今週は感染のリスクは低く、お出かけも楽しめる、東京の街歩きのためのガイドブックを紹介する。外出の際は、くれぐれも熱中症だけにはご注意を。



 健康維持に歩くのが大切なことは周知の事実。本書は、「さくっと」4000歩から「がんばる」1万歩まで、歩数別に都内のお勧めコースを紹介してくれる散歩ガイド。

 例えば「ものづくりの街蔵前でショップめぐり」と名付けられたコースなら、都営大江戸線の蔵前駅を出発して終点のJR御徒町駅まで約4142歩(所要時間約41分、距離約2.9キロ、消費約118カロリー)。コース上にあるオリジナルノートが作れる文具店「カキモリ」やレトロな「おかず横丁」などお勧めスポットも紹介。

 その他、花街の面影を残す神楽坂の路地裏を歩く6000歩コースや、豊かな自然を感じながら水木しげるゆかりの場所や古刹・深大寺などを歩く調布コース1万1770歩など、体力と空き時間で選べる33コースを網羅。すべてのコースを制覇すると165キロ約23万5700歩になるという。レッツチャレンジ。

(朝日新聞出版 1320円)

「東京のトリセツ2」昭文社企画編集室編

 古地図や古写真などを読み解きながら、地形や地質、歴史、文化、産業などの知られざる都道府県のトリビアを紹介するビジュアルガイドシリーズの東京編第2弾。

 まずは、初代の天守閣が完成した慶長12(1607)年ごろの江戸城を描いた最古級の絵図「江戸始図」などを紹介しながら、家康から家光まで3代約40年の歳月を費やして江戸城が完成するまでの経緯をたどる。

 一方、23区内で国土地理院の地図に公式に山として記載されているのは港区の標高わずか25.7メートルの愛宕山だけ。信仰の場所として、さらに見晴らしの名所として親しまれたその愛宕山の歴史を振り返る。

 その他、震災や戦災を乗り越えた明治・大正期の西洋建築や、陸軍の一大軍需工場で軍都と呼ばれた赤羽、昭和20年代に渋谷駅の東側と西側のビルの屋上を結び運航していたロープウエー「ひばり号」など、江戸から昭和まで各時代の東京へタイムトラベルを楽しむ。

(昭文社 1980円)

「地球の歩き方 nyaruco 東京ねこさんぽ」地球の歩き方編集室編

 東京にあまたある、ねこに会えるスポットを紹介してくれるガイドブック。

 ねこ好きなら誰もが知る下町の「谷中銀座商店街」はもちろん、店内で購入したはがきと切手を店のポストに投函すると肉球スタンプを押して郵送されるという「ねこの郵便局というなまえのお店」(雑貨店)などがある神楽坂や、かつて養蚕が盛んで古くから猫を大切にする文化があり、現在は西ノ猫町をテーマに町おこしが進む青梅など、おすすめ「ねこ歩き」コースと立ち寄りスポットを紹介。

 他にも、台東区の今戸神社などねこの御朱印がもらえる神社めぐりや、ネコ科界のスーパーモデル「サーバル」などのネコ科動物に会える動物園、そしてねこ雑貨店やねこをモチーフにしたアクセサリー店、ネコカフェなどが集結した吉祥寺「プティット村」や、新宿の「カフェ・アルル」など看板猫がいる飲食店、さらに愛猫と泊まれるホテルまで。東京のねこスポットがてんこ盛り。

(地球の歩き方 1480円)

「赤羽以外の『色んな街』を歩いてみた」清野とおる×パリッコ著

 漫画家・清野氏と酒場ライターで漫画家のパリッコ氏の2人がそろうと、なぜか「人生屈指」の珍事が起きるという。そんな2人が清野氏のホームタウンである「赤」羽以外の色がつく街を飲み歩く酒場「奇行」。

 最初の街は文京区「白」山。2人ともまったくなじみがない街で飲み屋を探して歩き始めた途端、清野氏が赤いチャイナ服姿の男性に近づいていく。男性は清野氏が赤羽の行きつけの店でよく合う飲み友達だった。男性の案内で白山の基礎知識を得て駅前の立ち飲み屋でまずは一杯。酒ぞろえもつまみもなかなかの名店だった。続いて赤ちょうちんに引かれて入った2軒目で事件は発生する。

 その他、足立区「青」井のカラオケ居酒屋では客同士が突然けんかを始め、葛飾区「金」町で中国人の雇われ店主オススメの餃子を頼んだら、冷凍の市販品が出てきたり……。それでもなんだか2人は楽しそう。知らない街の知らない店で飲む楽しさを満喫。

(扶桑社 1320円)

「東京ハイキング案内」山と溪谷社編

 現在の東京には、地形や水路、暗渠、埋め立て地など、江戸時代以降の400年余りの変遷を示す場所が数多く残されている。街に隠されたそうしたヒントを見つけながら東京の成り立ちや歴史を探る街歩きガイド。まずは凸凹とした地形が体感できる2つの崖線コースを紹介。

 立川市から世田谷区まで約30キロ続く国分寺崖線は、10万年以上かけて多摩川がつくり出した河岸段丘。上野から赤羽まで長さ10キロの日暮里崖線は、縄文時代には海岸線で波の浸食を受けてできた浸食崖だという。そうした基本を解説した上で、国分寺崖線ではJR武蔵小金井駅をスタートして、崖線の湧き水を集めて流れる野川や崖線でできた谷と湧水を利用した「殿ケ谷戸庭園」などに立ち寄りながら西国分寺駅までの約1時間50分のコースを紹介。

 他にも坂道や丘陵、河川、埋め立て地、さらに江戸三十三観音札所めぐりなどをテーマにした28コースを網羅。

(山と溪谷社 1980円)

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